【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 江東区
京金
【きょうきん】

天保年間から続く老舗

紀州藩江戸詰の藩士で台所回りを命ぜられていた渡邊利兵衛が、天保2年(1831)に四谷の大木戸に店を構えたのが、京金の起源だという。現在地に移ったのは日清戦争(明治27~28年)の頃。当主の渡邊光悦さんは五代目にあたる。
「そばは風味も大切。だから、その風味を残すために、うちでは粗めに粉を挽いています」と、渡邊さん。田舎そばは、さらに粗く挽き、より風味が楽しめる。そばは北海道、青森、福島、茨城、長野など、国産の最高級品を丸抜きで仕入れ、その日に使う分だけを石臼で挽いて手打ちにする。
さらに「そばだけではなく、脇役の素材も大切です」と話す。つゆは鹿児島県枕崎の一本釣り本枯節からダシをとり、みりんは本場の三河産を使用。辛味大根は山形や長野産、穴子は東京湾産、そして鴨はマグレカナール種というフランス産を用いるなど、素材にはとことんこだわっている。よもぎ、シソ、ユズなどを練り込んだ変わりそばもある。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071281 |