【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 足立区
千寿竹やぶ
【せんじゅたけやぶ】

柏の名店「竹やぶ」の直系

店を切り盛りする中村充さんは、昭和47年生まれの二代目。千葉県柏市の「竹やぶ」(280頁)と神奈川県の「竹やぶ箱根店」(351頁)の各店主とは従兄弟同士の間柄だ。創業は昭和49年。店内は小ぢんまりとしているものの坪庭が眺められる小粋なつくりで、通路の奥には個室(要予約)もある。
そばは、中村さんが自分の目で確かめた玄そばを1年分仕入れ、店で低温貯蔵し、毎日必要に応じてそばの実の皮を剥き、粉にして、打ちたて、茹でたてで出す。料理の食材も毎朝、自ら近くの千住市場へ買い付けに行くという。こうしたこだわりは、そばを3年ほど、料理を約5年修業した経験から得たもの。「でも、もっとも重要なのは農家のつくってくださる良質のそばの実です。それを無駄にしたくないので、手間隙を惜しむことができないんです」と、真剣な顔つきで話す中村さん。つゆにもこだわり、5日間寝かせて辛口に仕上げる。そばにも、料理にも、若き店主の心意気が感じられる店だ。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071283 |