【東京五つ星の魚料理】日本料理 > 新宿区
懐石 小室
【かいせき こむろ】
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素材・技・器を極めた傑作料理
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主人の小室光博さんは、茶懐石料理 和幸(180頁)の高橋さんのもとで7年間修業を積んだのち、年に数十日ほど和幸の手伝いに出つつ、出張料理で数多くの貴重な経験を重ねた。神楽坂通りを南に外れ、しゃれた小料理屋や割烹が点在する小道の一角に店を構えたのは平成12年。
以来「器や椀を集めるのが好きで、店に金をかけるどころじゃなかった」と笑う簡素な店で、主人は「特別な食材をいかに用意し、いかに調理するか」に心を砕く。たとえば鱧なら明石の某所、ごく狭い海域でコウナゴだけを食べてきた、いわば乳母日傘育ちの逸品。用いる器は輪島に特注した闇漆の椀、須田菁華や澤村陶哉ほか現代作家もの、中国の古磁器など。先付から締めの鱧御飯まで、料理は細緻を極め、しかも晴朗な勢いがある。すべてを措いて料理に没頭できる、小さいながらここは味の桃源郷か。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の魚料理」 JLogosID : 14071044 |