【東京五つ星の肉料理】牛肉料理 > 中央区
西洋料理 島
【せいようりょうり しま】

都心の地下に隠れもなき名店

京都・都ホテルを皮切りに、フランス料理中心に世界各地で修業を積んだ大島学さんが、平成5年に開いた店。造りといい雰囲気といい、ここはそのままパリの小意気なビストロか。白一色の壁や白木の床、白木のカウンターに清潔さが匂い立ち、
椅子、テーブルのあわいからは、気心の知れた客たちのさざめきさえ聞こえてくるようだ。主人はじめ男性ばかりのスタッフの応対が温かく、しかも凛とさわやかで気持ちがいい。
大島さんが、ロース肉のステーキを作る。塊のままのロースは周りを丁寧に切り外して、真ん中のいい部分だけを取り出して塩胡椒し、両手で慈しむように形を整える。手塩にかけるとはまさにこのこと。手塩にかけた肉をフェンシングの剣みたいな長い鉄串に刺して、下段に備長炭を熾した店主創案の特注オーブンで20分ほどかけて焼く。
ひたむきで混じりっ気のないこの姿勢が、主菜、前菜を問わずどの料理にもくっきりと見て取れるすばらしさ。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070820 |