【旬のうまい魚を知る本】 >
▼獲ったあとのていねいな扱いが名を高める

富江のシビの曳縄漁は、関東では曳釣りという漁法だ。両舷から長さ10メートルほどのサオを張り出し、サオ1本に2本の仕掛けを結び、さらに船尾から3本と計7本の仕掛けを結んで、6キロ前後のスピードで走りながらシビが食いつくのをひたすら待つ。
多くの船が一人で操業する。魚を釣るとただちに海水氷を入れたおよそ30キロ入りの細長い桶に頭を下にして入れ、氷締めにして血抜きをする。次にやはり海水氷を入れた60キロか200キロ入りの容器に魚を横にして入れる。こうしたていねいな処理が、富江のメジマグロの名を高めている理由の一つであろう。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070649 |