【旬のうまい魚を知る本】 >
▼南三陸地方では欠かせない正月料理

見てくれは冴えないし特有の匂いもある。ところが宮城県の海岸線の人々は、このカレイを大いに好む。北海道沿岸のババガレイは、冬になると三陸沖へ回遊して春に産卵する(移動速度は一日におよそ10キロと、意外に速い!)。したがって宮城県沖で獲れるババガレイは腹に卵を抱えている。それが特別に美味だからこの地の人が好むのにちがいないとぼくは考えていた。取材を続けていると、それだけではないことがわかった。この地方では、正月にババガレイの煮付けを食べる習慣が、古くから伝わっているのだ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070612 |