【旬のうまい魚を知る本】 >
▼年の暮れの漁師はババガレイ漁に熱くなる

正月にババガレイの煮付けを食べる習慣があるため、宮城県の浜では年の暮れになると値段が急上昇する。1キロ数千円。それでもなかなか手に入らない。そこで漁師たちは自家用を確保するため、ババガレイを狙って出漁する。阿部さんもその一人。「『ひらもの』を食べるため、正月近くなるといつもは砂地にかける刺網をナメタのいる岩地にかけることにしているんだ。岩にひっかかって刺網が破れることもあるけど、正月料理のためには覚悟しているよ。それでも、みんなが狙うから1日1枚か2枚しかとれないなあ」と漁の名人は苦笑するのだ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070614 |