【旬のうまい魚を知る本】 >
▼淡水性も海水性も同じカジカ科

「カジカ」と聞いて、多くの人は川に棲む十数センチの魚を思い出すにちがいない。子どもの頃に朝早く起き出して、四つ手網で獲った方もいるだろう。ここに紹介するのはそれとは違い、深海に生息するもっと大型の海水魚。もっとも海水魚のカジカと淡水魚のカジカは、両方ともにカサゴ目カジカ科。まったくの別種とぼくはずっと思い込んでいたのだから、魚ライターとは聞いて呆れる。
トゲカジカはカジカの仲間にもれず、いかつい姿をしている。黄色みのある黒褐色に暗色の横縞が不気味さを増している。エラブタには4本のトゲがあり、それでトゲカジカの標準和名がある。ヤリカジカ、モカジカ、マカジカ、ナベコワシなどとも呼ばれる。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070582 |