【旬のうまい魚を知る本】 >
▼メンメ料理はシンプル・イズ・ベスト

ウトロの漁師宅で漁師流メンメの湯煮をご馳走になった。ウロコとエラ、ハラワタを除いたメンメを、少しの塩を加えた熱湯に通しただけの簡単料理。大きな1尾が皿にどーんとのっているだけの素っ気なさ。それがうまいのなんのって、はしたないと思いつつも、チュバチュバ音を立てて骨までしゃぶりつくしてしまった。にじみ出る旨味はこってりしているけれど、嫌みを少しも感じない。メンメ料理の真骨頂である。
「メンメ漁のときに湯煮は沖でよく食べるよ。船上では忙しいこともあって、ウロコもエラもハラワタも取らないよ。生きているのをそのまま湯に通す。一度焼いてから湯に通すこともあるな。食べるときに箸でウロコを除いて食べるのが漁師流だ。これはなんといっても、船の上で食べるのが一番だね」
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070571 |