【旬のうまい魚を知る本】 >
▼豪快! 漁師流サメの湯引きの作り方

漁師流のサメの湯引き方は、何度も見ても豪快この上ない。大きな金属製のたらいにたっぷりの湯を沸かす。これに丸ごとのサメを入れ、取り出してからタワシでざらざらの外皮をこする。こうすると皮の外側だけが取れ、残った皮の部分がコリコリしてうまいのだ。水洗いしてから頭とハラワタを取り除き、3枚におろしてさらに背と腹とに分ける。一口大にそぎ切りにして、塩水にわずかな時間漬ける。もう一度さっと湯に通して氷水で締める。これを辛子酢味噌で味わう。中骨を除かずに2枚におろして、中骨のコリコリ感を楽しむ人もいる。いずれにしてもしっかりした歯ざわりが楽しめ、清楚淡泊なおいしさはどの魚にも負けない。ところがスピルバーグ監督の映画『ジョーズ』で残忍な人食いザメを見てからは、サメに食欲が湧かないというわが友人がいる。名監督も罪なことをしたもんですな。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070535 |