【旬のうまい魚を知る本】 >
▼ヒレも小骨もポリポリと

新島で漁師のおかみさんたちから、タカベ料理をご馳走になる機会があった。料理といっても、塩焼きと煮付けの2種類。こんがり焼いたのに箸を付けると、身がほろっとくずれた。舌にのせると旨味が口いっぱいに広がってきた。よく焼いてあるので、ヒレとその根元の小骨もポリポリと噛み砕いて、その歯ごたえを楽しんだ。煮付けは浜特有の濃いめの味付け。ちょっと味と香りにクセのあるタカベには、このほうが合っているようだ。
その日に泊まった民宿「うへい」の夕食でも、タカベの煮付けが食卓にあった。「島の特産だから切らすわけにいかない」のだそうだ。この日2尾目の煮付けをぺろりとたいらげてしまい、満ち足りた気分の夏の一日になった。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070432 |