【旬のうまい魚を知る本】 >
▼しじみうり黄色なつらへ高く売り

シジミは昔から黄疸の特効薬とされてきた。正徳(しょうとく)年間(1711~1716)発行の『和漢三才図会』には「しじみは酒毒や黄疸に有効」とある。そこでこんな川柳も詠(よ)まれた。〔しじみうり黄色なつらへ高く売り〕
黄疸は肝臓病の代表的な症状である。シジミが肝臓によいとされるのは今も変わりない。この小貝には必須アミノ酸、タウリン、ビタミンB12などが豊富に含まれ、それらがとくに肝臓の働きを高めるらしい。たんぱく質を構成するアミノ酸は、ほとんどが体内で自動的に合成される。ところが8種類だけは体内で合成されないため、食べ物から摂取しなければならない。その8種類が必須アミノ酸と呼ばれる。
たんぱく質が体に必要なのはいうまでもない。なかでもたんぱく成分のタウリンは肝臓の健康に欠かせないばかりでなく、悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増やすといわれている。肝臓が疲れているあなた、酒のあとに一杯のシジミの味噌汁をどうぞ。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070108 |