【旬のうまい魚を知る本】 >
▼栄養たっぷりの汽水で育つ十三湖のシジミ

十三漁協のシジミ漁師は103名。そのうちの一人、シジミ漁30年という三上藤生さんの漁を見学した。下半身を黒いウエットスーツに包み、膝上10センチほどの水の中で、熊手に似た鉄製のジョレンを腰にあてたロープで引っ張る。シジミがジョレンの中にはいったところで、棒を何回も前後にゆすって貝殻や小石を取り除く。岸辺にもどってきた三上さんは、十三湖産シジミが美味なわけをこう説明した。「岩木川から流れる淡水と日本海からはいってくる海水が、ほどよく混ざり合っているからだろう。湖の栄養がゆたかだから、シジミの身が太っていて味も濃いよ」。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070110 |