【旬のうまい魚を知る本】 >
▼暑気払いに最適なスズキの魚そうめん

夏のスズキ料理の中で、ぼくのお気に入りはスズキ(フッコ級で十分)の魚そうめん。これも瀬戸内海の漁師さんに教えてもらった。魚そうめんはマダイがよく知られているが、スズキはそれ以上だと思う。マダイ以上に淡泊な白身で、きめ細かい上質な脂のスズキが、つるつるそうめんに合わないわけがない。
作り方はあなたが思っているより、ずっと簡単。ウロコ、エラ、ハラワタを取り除いたスズキに振り塩をして(腹の中にも)、頭付きのまま焼く。これをぶっかき氷の上にのせ、その上にそうめんをのせて薬味を散らすだけ。つゆをつけて食べる。ポイントは生きのよいスズキを手に入れること。それに薬味。カンピョウと干しシイタケを水にもどし、醤油と砂糖で甘辛く煮詰めて細かく切る。これに加えてミツバとすりおろした根ショウガを添えたい。そうめん、スズキの白身、薬味が三位一体となって、涼しさを呼び込んでくれるのだ。なおスズキを下ごしらえする際には、くれぐれもエラぶたに十分ご注意ください。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070418 |