【旬のうまい魚を知る本】 >
▼シッタカには楊枝がよく似合う

シッタカは殻付きの活(い)きで店頭に並ぶ。身を取り出しての酢味噌和えや炊き込みご飯、殻ごとの味噌汁でも、ほかの貝にはない滋味を味わえるが、塩ゆでにされることが多い。殻ごとゆでて楊枝(ようじ)で身を取り出し、しみじみと味わう。酒の肴の優等生である。
残念なことに、シッタカを味わう機会は年々少なくなっている。伊豆半島を旅行すれば、以前は大量のシッタカが石ころのように目の前に積まれたもんだ。ところがどうだ、今では小鉢に5~6粒なんてこともあるんだから、いやになってしまう。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070362 |