【旬のうまい魚を知る本】 >
▼青い肝を引き出したときのうれしさよ

民宿の夕食にお目当てのシッタカ料理が並んだ。塩ゆで、煮付け、それにニシなどの小貝を加えた味噌汁。殻ごとの煮付けももちろん悪くなかったけど、味が付くことによって、シッタカの野性的な香りや味のくせがやや少なくなる。やっぱりシッタカは塩ゆでにかぎる。楊枝を身に突き刺し、左手をぐるっと回して、身につながった先端の青い肝を引き出したときのうれしさよ。肝のほろ苦さでいつもより酒がすすんだのはいうまでもありません。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070364 |