【旬のうまい魚を知る本】 >
▼養殖魚のエサによし、酒の肴によし

鮮度が落ちやすく、また一度に多く漁獲されることから、かつては肥料にされていた。今でも養殖ハマチや養殖フグのエサによく使われる。「ほかではイワシをエサにするが、うちではキビナゴをフグに与えている。フグの身に臭みがないと好評ですよ」とフグ養殖業者から聞いたことがある。われわれがよく目にするのはキビナゴの丸干し。これを軽く火にあぶると酒の肴に向く。鮮度がいいキビナゴは、煮付け、塩焼き、てんぷら、から揚げ、フライ、鍋、すり身などに向き、あなどれないおいしさなのだが、産地以外ではあまり知られていない。なお、キビナゴのダシ用煮干しは、カタクチイワシの煮干しと分けて「キビナゴイリコ」と呼ばれる。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070347 |