【旬のうまい魚を知る本】 >
▼柴垣産でも長手島一帯のイワガキを最上とする

柴垣では海士(あま)、つまり男のもぐりがイワガキをとる。その海士の一人が「柴垣でも長手島一帯の岩場でとれるイワガキは特別に味がいいよ」。長手島は約370メートルの長さで沖へ突き出ている岩礁地帯。「外浦ではほかでもカキがとれるけどな、潮の流れが悪い海のカキはなぜか渋みがある。田圃(たんぼ)の水が流れる海のカキは泥臭くて、わしらは好きでないな。それとテトラポッドに付いたカキは大きくて見た目はいいけどな、味がよくないので、柴垣の者は食わんなあ」。さすがに海士はイワガキの味にうるさい。
![]() | 東京書籍 (著:東京書籍) 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070091 |