レオナルド・ダ・ヴィンチ②
【れおなるどだびんち】
モデル出身のイケメンだった!?
レオナルド・ダ・ヴィンチはどんな容貌だったかと聞かれて私たちが思い浮かべるのは、白い長いひげを蓄え、頭も禿げ上がった彼の晩年の自画像だろう。口を真一文字に結んで気難しそうな印象だ。ダ・ヴィンチは、その天才的なデッサンやエピソードにはこと欠かないが、その容貌については、晩年のものが多く、若い頃のものが少ない。メレシコーフスキイの小説によると、ダ・ヴィンチは「父親から堂々たる体格」を受け継ぎ、「母親から、体全体にしみわたっている女性的な美」を受け継いだという記述があるが、実はかなりのイケメンだったらしい。少年時代、彼はフィレンツェに修業に出たが、彫刻家ヴェロッキオの工房に弟子入りしたとき、ダヴィデ像の彫刻や、ローマ将軍スキピオやアレキサンダー大王の浮き彫りのモデルになったりもしている。それらの作品はどれも筋肉質で精悍な肉体、ソフトな美しい横顔であり、確かに彼は容姿端麗だったのだろうことを確信させる。彼の代表作、『モナ・リザ』も描き進むうちに自分の顔にも似てしまったという説があり、鼻筋の通った優雅な美しさを持った若者だったようだ。画家ボッティチーニの代表作『トビアスと三人の大天使』でも、左端にいる剣を携えた若者は、ダ・ヴィンチがモデルであるといわれている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820963 |