メンデル
【めんでる】
大発見のきっかけは、おいしいワインづくり!?
エンドウ豆を使い、遺伝学の基礎となる「メンデルの法則」を発見したオーストリアの修道士であり植物学者のメンデル。法則発見のきっかけは、ブドウの品種改良だったという。メンデルのいた修道院では、よいワインをつくるためにブドウの交配実験をしていたという。メンデルも命じられたが、彼は「試行錯誤で交配をしても時間がかかるだけで効果はない」と考え、それより交配による結果の法則を見つけようとした。そしてブドウは生育が遅く実験には不向きだったので、当時ヨーロッパで広く栽培されており、手に入りやすかったエンドウ豆に着目した。エンドウ豆の種子は優劣の形質が比較的わかりやすく、品種改良によって様々な形質や品種があり、人工受粉がおこないやすいという利点があったからだ。メンデルはこのエンドウ豆を使って、八年間、二二五回にわたる交配実験を繰り返し、一万二九八〇個の雑種を得て、その交雑結果の統計処理を続けた。その結果、優劣形質の遺伝に規則性があることを突き止め、有名なメンデルの法則(優性の法則、分離の法則、独立の法則)を発見したのである。この世紀の大発見は一八六五年に発表されたが、メンデルが生存中に日の目を見ることはなかった。その価値が認められたのは、メンデルが死んでから一六年後の一九〇〇年になってからのことだった。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820897 |