ミルク
【みるく】
「ミルク」=「牛の乳」なのはどうして?
日本では「ミルク」といえば牛の乳、つまり牛乳をさす。もちろん世界でも牛乳は主流だ。飲料に向いた成分を含んで、しかも大量に生産できるのは牛の乳しかないからである。要するに搾乳できる絶対量が多いのである。そもそも哺乳類の乳は、親になったメスが、出産後に自分の子を育てるために出すもので、子どもが自力で餌が食べられるようになったら、普通は出なくなる。家畜の中で比較的長く乳が出るヤギですら、出産後半年が限度といわれる。ところが牛は、家畜として飼い慣らされ、長年の品種改良の末に、乳をたっぷり出せるようになったのである。そのため「ミルク」といえば「牛乳」をさすようになったのだ。飲用などとして利用される乳は、もちろん牛ばかりではない。家畜として利用される動物の多くの乳も利用される。まず、紀元前八〇〇〇年頃の西アジアで家畜化された羊やヤギ、紀元前四〇〇〇年頃の馬や水牛、紀元前二五〇〇年頃のラクダなども乳を飲用としても利用している。モンゴルには馬乳酒もある。ちなみに、家畜として最も古いのは犬で約一万年以上前である。猫は約一万年前の遺跡から骨が出土している。なお、家畜は哺乳類や鳥類ばかりではなく、日本では法律でミツバチも家畜とされている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820882 |