ブラックボックス
【ぶらっくぼっくす】
飛行機の記録装置の色は黒ではなく、オレンジ色や赤色
痛ましい飛行機事故が起きたとき、その原因の究明のために登場するのが「ブラックボックス」だ。すべての飛行記録を残す装置で、機体には必ず搭載されている。このブラックボックスには二種類のレコーダーが収められており、一つは、コックピット・ボイスレコーダー(CVR)、もう一つはフライト・データ・レコーダー(FDR)である。実際の事故のときには、これらの記録によって事故の解明がされるというわけである。CVRはコックピット内の会話や管制機関との交信内容を記録しておくもので、三〇分のエンドレステープが使われていて、常に最後の三〇分の会話を記録している。FDRでは、実際の機体の記録として、高度、大気速度、機首方位、垂直加速度、時間などの具体的なデータが連続で二五時間記録できるようになっている。この二つの装置は、事故で飛行機が破壊され大火災になっても内容が確実に保存できるようにと、特別な衝撃や熱に強いカプセルに収納されている。そのカプセルは、一〇〇〇Gの衝撃にも〇・〇一一秒間耐えることができ、どこかの海などに沈んでしまっても、三〇日間は超音波信号を発し続けるようになっているため、飛行機にどんなことがあっても見つかるようになっているのだ。さて、そのカプセルは「ブラックボックス」という名前なのだから、黒い箱みたいな形なのかと思うところだろう。しかし、その外観は意外に派手で、オレンジ色や赤色が多い。黒い色では捜索がしづらく発見が遅れてしまう。そこで目立つ色にしているというわけだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820777 |