パラオ島
【ぱらおとう】
ナマコの食べ方に見る、島民たちの優しさとは?
地球や自然に優しい生き方が、近頃ますます注目されている。日本では、エコライフ、ロハスなどが雑誌などで紹介されているが、そんな言葉に踊らされることなく、南海の自然の恩恵を受けて暮らしている人々もいる。そんな人々に、パラオの島民たちがいる。このパラオの人々はナマコを好んで食べるが、その食べ方が「究極のエコロジー」で、いくら食べてもナマコの数を減らさずにすむ、という素晴らしい食べ方を知っているという。日本ならば、刺身にするか三杯酢などでナマコを食べるが、パラオの人たちはナマコを浅瀬で見つけると、そのまま手づかみにしてちょうど胴体の辺りに指でぐりぐりっと穴を開けて腸を取り出し、それを生のまますすりこんで食べてしまうという。この食べ方のどこがエコなのかというと、答えはそのナマコの生態にある。腸だけをとってしまったナマコを、パラオの人は必ずそのまま海に投げ入れる。すると、なんとナマコは数カ月をかけて腸を再生し、そのまま生きていくのである。そのことを知っているので、パラオの人は腸だけを食べると、またポイッと海に戻しておくのである。というわけで、パラオの人がいくらナマコを食べてもナマコ本体の数はまったく減らないということなのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820720 |