浜っ子
【はまっこ】
「じゃん」を使うのは、横「浜」出身ではなく「浜」松出身!?
見知らぬ土地とつながる港町というのは、言葉だけでもエキゾチックだ。日本が鎖国を解いて開国したとき、一気に新しい欧米の文化が流入した横浜、神戸、函館などの港町に、人々はどんな思いを抱いたのだろうか。そんなエキゾティシズムは現在の港町にも色濃く残っている。洋風建築が並ぶ街の景観、外国人と行き交うことも日常で、日本と外国の文化が混在していることに違和感は覚えない。文明開化の風を最も強烈に、一気に受けた港町の人々の気質は、日本人にしては自由で進歩的、開放的といえるものに変わっていった。「江戸っ子は三代、横浜は三日住めばハマっ子」という言葉が生まれたのもそのためだ。さて、ヨコハマ生まれでヨコハマ育ちのハマっ子の見わけ方の一つに、語尾に「?じゃん」をつける口癖というのがある。ところがこれは、横浜特有のものではなく、駿東から三河地方にかけて使われる方言でもある。東京が首都になって、近隣に人口流入がはじまったとき、横浜に移住した静岡の人たちが使って定着した可能性はある。短期間に外国人を共同生活者として受け入れられた浜っ子は、方言だって快く受け入れたに違いないからだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820719 |