パイロット
【ぱいろっと】
パイロットたちが同じ料理を食べられない理由
飛行機のコックピットには、機長と副操縦士が必ず乗務する。機長の具合が悪くなるなど、突然の事態に備えるためである。国際便などで、私たちは機内食をとるが、機長や副操縦士は何を食べているのだろうか。愛妻弁当などを持ち込んでいる人もいるのであろうか。もちろんそんなことはない。搭乗している客と同じものを食べているのだそうだ。ただ、食事に関しても、厳しい決まりがあるので紹介したい。まず、機長と副操縦士が歓談しながら一緒にランチ、などということはあり得ない。規則で機長と副操縦士が一緒に食事をとることは禁じられている。一人が食事をとっている間、もう一人は何かが起こってもすぐに対応できるような態勢をつくっているのだ。それも当然で、たとえば急に回避操作が必要になったり、機体にトラブルが発生した場合など、手動で操縦しなければならなくなるからだ。そのために二人は別々に食事をとるのである。食事の内容も同じものを食べてはいけないことになっている。万が一、機内で食中毒や食べ物によるテロ行為が発生した場合、機長と副操縦士が同じものを食べていたのでは、二人とも操縦できなくなってしまうからだ。通常、ホットミールとコールドミールといって区別しているらしいが、両方に共通する食材は一つも入っていないのだそうだ。なるほど、そんな工夫がされているのだ。そのほか、トイレにも工夫がある。パイロットも乗客と同じトイレを使うのだが、トイレのために操縦席を空ける時間は極力短いほうがよい。そのため、トイレに先客がいるかどうかをランプで操縦席に知らせるしくみになっている。ランプが消える頃を見計らって、パイロットはささっと用を足すのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820693 |