チョコレート
【ちょこれーと】
食べすぎても鼻血は出ない?
いつの時代もチョコレートは子どもが大好きなお菓子であるが、「チョコレートばっかり食べていると、鼻血が出るわよっ!」というのも、いつの時代のお母さんも一度は口にするセリフだろう。しかし、チョコレートを食べすぎると鼻血が出るって本当なのだろうか。実は、そうでもないらしい。チョコレートに多く含まれているといわれるポリフェノールが、血の通りをよくする機能を持っているから、多少は鼻血が出やすくなるのかもしれないが、それほどの原因にはなっていないという。本当は、チョコレートがまだ高価な贅沢品だった時代に、子どもに食べさせないことの理由づけにしただけなのだ、という説もあるようだ。さらに、「チョコレートを食べすぎるとニキビができる」というのも、そうでもないらしい。アメリカのペンシルバニア大学医学部の研究で、チョコレートとニキビに因果関係が認められないということが証明されている。アメリカ食品医薬品局(FDA)もニキビと食事の内容を関連付ける科学的な根拠はないと答えたそうだ。さて、ここまでくると気になる虫歯だが、よくいう「チョコレートを食べると虫歯になる」に関してはどうなのだろう。なんと、これまでもがそうでもないらしい。むしろその逆で、虫歯を防ぐ働きがあるという報告もあるのだ。二〇〇六(平成一八)年二月、「チョコレートには虫歯を防ぐ働きがある」という研究結果が発表された。実証したのは、日本大学松戸歯学部の福島和雄教授。虫歯の直接の原因であるソブリナス菌は、チョコレートに含まれるカカオ成分に弱いことがわかったのである。菌の発生を抑えるのにカカオが強い効果を発揮するのは動物実験でも明らかとなっている。ラットにソブリナス菌を定期的に与えて、カカオを含まない餌のグループと、カカオを含んだ餌のグループで虫歯の発生率を調べたら、カカオを含んだ餌のグループのほうが発生率が低かったそうだ。ちなみに実験では、ミルクチョコよりもダークチョコやプレーンチョコのほうが虫歯を抑える効果があったという。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820561 |