想像妊娠
【そうぞうにんしん】
赤ちゃんが入っていないのに、どうしてお腹がふくらんでくる?
女体の神秘であるが、女性が赤ちゃんを産みたいと強く願ったり、極端に恐れたりすると、実際に妊娠した場合と同じような様子が体調にあらわれてくることがある。これを「想像妊娠」という。想像妊娠をすると、通常ならばおよそ月に一度の間隔でくる月経が止まってしまったり、微熱が続く、食欲がなくなる、体がだるい、お腹が大きくなるなど、通常の妊娠の場合と同じような症状が出る。それによって、ますます妊娠したと勘違いしてしまう場合も多いようだ。実際に妊娠しているわけではないのに月経が止まるのは、ホルモンバランスの崩れによる。本当に妊娠した場合、脳下垂体からホルモンが分泌されず、排卵や月経は止まるのだが、想像妊娠の場合もそのような状態の体調になってしまうのである。では、お腹まで大きくなるというのはどういうことか。実際に妊娠した場合には、もちろん子宮が胎児の成長よって徐々に大きくなってきてお腹が膨らむのだが、それだけでなく、妊娠をすることで脂肪を付けやすい体に変化していく。とくに、お腹まわりや胸元、太ももまわりに体を守る意味の脂肪がつくのである。想像妊娠の場合も、やはり同様の体調になってしまうのである。また、月経がないことで脂肪の代謝が悪くなって太りやすくなるという。しかも妊娠したと思っている場合は、栄養を付けるために食べる機会が多くなり、脂肪を蓄えてしまうということらしい。想像妊娠の場合は、残念ながらお腹にあるのは、脂肪である。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820496 |