聖書
【せいしょ】
なぜホテルには聖書が置かれているのか?
洋風のホテルの一室には、そのホテルのサービス内容がかかれた案内書と、なぜか聖書がおいてある。地方のわりとさびれたビジネスホテルでも、聖書だけは置いてあることがあるが、実はそれには理由があるようだ。聖書はホテル側が用意して積極的に置いているわけではない。日本国際ギデオン協会という団体が、各ホテルに対して、「海外では眠る前に聖書を読む習慣があるので、外国人の宿泊客向けに使ってほしい」と寄贈しているのだという。ギデオン協会とは、アメリカ発祥のプロテスタント系信徒組織で、現在も世界の一八一カ国で聖書の普及活動をしている。ホテルに聖書を置くのは、その普及活動の一環なのである。日本には、戦後、日本人の再教育にとマッカーサーがキリスト教の宣教師を派遣した。ギデオン協会が日本に来たのもそれがきっかけである。ホテルへ寄贈される聖書には、日本語も併記されており、日本人でも手軽に読めるようになっている。日本国際ギデオン協会によれば、「ホテルは単に寝泊りの場所というだけでなく、悩んだり行き詰まったりする人が利用する場合もある。人生に悩む人に読んでもらえたら」という。現在は、おもに学生を対象として年間で約九〇万冊の聖書を配布しており、このギデオン協会により贈呈される聖書の数は、累計ですでに三二〇〇万冊を超えているという。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820477 |