西郷隆盛②
【さいごうたかもり】
類は友だけでなく、親類までを呼ぶ
明治維新の三傑といえば、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允である。西郷と大久保が子どもの頃の遊び仲間で親友であったことはよく知られているが、彼の周囲には明治時代になって活躍した人が多く、不思議にそれは彼の親類に多い。明治時代に政治家や軍人として勇名をとどろかせた西郷従道は、隆盛の弟であり、日露戦争のとき元帥陸軍大将として活躍した大山巌は隆盛の従兄弟である。大山巌の父と西郷兄弟の父は兄弟という関係になる。もう一人、明治時代に海軍卿(海軍大臣)になって海軍の整備に努めた川村純義も隆盛の従兄弟である。しかし、こちらは義理の従兄弟という関係になる。隆盛の母の弟に椎原国幹という人がいる。隆盛の父が亡くなった後、何くれとなく西郷一家の力になった人だ。川村純義はこの国幹の娘と結婚しているのである。こういう関係もあり、隆盛は川村純義に目をかけたといわれている。また、海軍大将となり、後に総理大臣となった山本権兵衛は、隆盛との縁戚はないが、同じ町内の生まれだ。隆盛の紹介で勝海舟と知り合って、その感化を受けて海軍への道に進んだといわれる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820337 |