消しゴム
【けしごむ】
ゴムを包む紙のケースには、こんな重要な役割があった!
昔懐かしい話かもしれないが、カバーをはずしてしまった消しゴムをしばらくプラスチック製の筆箱に入れておくと、べったりとくっついてしまった経験は誰しも一度くらいあるもの。筆箱でなくても、下敷や鉛筆の塗料にくっついてしまうことがあるが、なぜだろうか。これは消しゴムの製造過程で使われる、プラスチックをやわらかくするための可塑剤が原因である。プラスチック製品と、この可塑剤を使った消しゴムが接触すると、消しゴムのなかに含まれている可塑剤が溶け出し、接触しているプラスチックに入り込んでしまうのである。では、べたつかないようにするためには、どうしたらいいかというと、ここで登場するのがあの紙のケースである。使いはじめてしばらくすると結構ぼろぼろになってしまうのでついついはがしてしまうのだが、これが禁物。いまのところ、消しゴムとプラスチック製品がくっつかないようにする最も有効な手段が、あの紙カバーなのである。紙では弱くて破けてしまいがちなので、それ以外の何かでカバーしようとすると、消しゴムが小さくなってきたときに使いにくい。結局のところ、小さくなってきたときには合わせて切ってしまえばいい紙のカバーが最も実用的で、コスト的にも問題がなく、消しゴムとプラスチックのくっつきを防いでくれるというわけだ。何の気なしに思っている紙カバー、実はたいへん重要な役割を担った消しゴムの「部品」なのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820274 |