クレオパトラ
【くれおぱとら】
実は「絶世の美女」ではなかった!?
日本では世界三大美女の一人に数えられ、かのパスカルをして「鼻がもう少し低かったら世界の歴史は変わった」といわしめたほど、クレオパトラの美貌は世に伝わっている。しかし、実際のクレオパトラは美女ではなかったのではないかといわれる。小柄で鼻が大きすぎたというのだから、ルックスでローマの将軍を二人も虜にできるほどの美女ではなかったというのだ。現存するクレオパトラに関する史料のほとんどは、敵対していたローマ側が残したものである。彼女のことを決してよくは書いていないそんな史料が、なぜか「絶世の美女」という賛辞を贈っているのは、やはり将軍二人が骨抜きにされた恨みからかもしれない。クレオパトラは、エジプト侵略のために遠征してきたカエサルをまず籠絡し、彼のあとを継いだアントニウスもまた彼女の魅力の前に目的を忘れてしまう。これは、彼女が姿形だけでなく、知性による演出で男性を魅了したことによるようだ。確かにエジプト風の化粧術は、ローマの軍人にとってエキゾチックで魅力だったに違いない。さらにエジプト語を含む九カ国語が話せて、会話力に優れていたと伝えられるその才知にも、カエサルとアントニウスは惹かれたのだろう。ただ、ローマ人にしてみれば、たいして美人ではない異国の女性に、国を代表する将軍が惑わされたとは考えたくない。そこで、とにかく男を虜にするような美女だったのだからしかたがないとするために、クレオパトラを絶世の美女として伝えたといわれている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820261 |