乾物
【かんぶつ】
「乾物」と「干物」は、どのように分類すればいいのか?
食料品の種類のうち、乾物は「かんぶつ」と読む。干物は「ひもの」と読むが、音読みでは「かんぶつ」とも読め、訓読みでは、乾は「かわかす」であり、干は「ほす」、どちらも日にあてて水分を取り除くことに変わりはない。要するに、どちらの食品も素材そのものから水分を取り除いて乾燥させたものということになり、分類の基準はあいまいだ。一般的に、野菜や海藻など植物性食品を乾燥させたのが乾物、魚介類を乾燥させたものを干物と大きく分けることができる。前者が切り干し大根や昆布、ヒジキ、高野豆腐、干ぴょうなどで、後者がアジの開き、メザシ、スルメ、ジャコなどだ。とはいうものの、卸売り市場では、干し貝柱、鰹節、フカヒレなどは乾物であり、スルメやジャコも乾物として分類されることもある。では、どう分類すべきか。家庭用食品としての分類を考えるとすれば、素材の水分を完全に抜いてあり、常温保存できるものが乾物、素材の味を引き出すために適度に水分を抜いてあるが、日持ちはしないので冷蔵保存が必要なものが干物と考えればよいだろう。もともと干物は、日本人が、魚介類の風味を保ち、日持ちをよくするために考え出したものであり、ことに最近は、生干し、一夜干しなど、水を軽くしか抜かないものが主流なのだから。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820207 |