カップラーメン
【かっぷらーめん】
普及のきっかけは、連合赤軍の浅間山荘事件!?
一九五八(昭和三三)年に日本初の即席麺「チキンラーメン」を誕生させた日清食品が、一九七一(昭和四六)年に発売した「カップヌードル」は、いまや日本を代表するインスタントカップラーメンの一つといえる。発売の翌年二月、日本中を震撼させる事件が起こった。連合赤軍の浅間山荘事件である。連合赤軍と機動隊の攻防は、連日連夜にわたってテレビで中継され、日本中が固唾をのんでその動向に注目した。そんななか、画面に映るあるものが人々の心をとらえた。待機中の機動隊員が口に運んでいる「カップヌードル」である。その様子を見ていた視聴者はもちろん、ほかの警察や新聞社などマスコミから注文が殺到したという。それまでの袋入りインスタントラーメンが、さらに進化したのがカップラーメンである。ほかの容器に移すことなく、そのままお湯を注ぐだけで食べられる。しかも発泡スチロール製の容器は、流通時には包装材として、お湯をそそぐ際には調理器具として、食す際には食器として使える。また、容器のなかで麺が宙吊り状態になっているという点でも非常に画期的だった。麺を効率的に容器に入れることができ、麺と容器が密着しているため容器の補強も可能、具材は麺の上部に入れられ、注いだお湯が麺の下に入り込み、麺を蒸しながらもどすこともできる。この製法は「容器付スナック麺の製造法」、「熱湯注加により復元するカップ入りスナック麺」として、それぞれ特許、実用新案に登録されている。カップラーメンはいまや、八○以上の国で一二〇億食以上が食べられている、日本発の世界的なインスタント食品となった。「日本が生み出した食品でこれほどまでに世界に広くかつ深く浸透したものはないと思われ、将来コーラと双璧をなす潜在性を持つのではないかと考えられている」(『即席めん入門』日本食糧新聞社刊)といわれているほどだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820174 |