カエル
【かえる】
オタマジャクシにならず、直接カエルに!
親子がまったく形の異なる種類の代表であるカエルだが、実は、カエルの形になってから生まれてくる子どももいる。オタマジャクシになってからカエルに姿を変える種類は、カエル種・九科全八〇〇種類のうちの約八〇パーセント。では、そのほかの約二〇パーセントにあたる種類はどうなのかといえば、卵から直接、カエルの姿になって出てくる(直接発生)。その直接発生をするカエルは、コヤスガエル属とその近隣の属。代表的なものは、南米プエルトリコに棲む体長一?二センチの小さなカエル、コキーコヤスガエルである。日本国内では定着した実績はなく、むしろ、進入すると生態系に被害をおよぼす恐れがあると、環境省によって二〇〇五(平成一七)年に外来生物法の規制対象となっている。このコキーコヤスガエルは両生類として例外的な生活体系をとっており、湿地に親が卵を産み落とすと、オタマジャクシの期間を持たずに子は地上で孵化することができる。繁殖力がとても旺盛で、湿気の多い雨期を中心に、平均で二八個の卵を八週おきに産出。しかも年に四?六回卵を産む。その繁殖力で現在では、プエルトリコだけでなく、ハワイやアメリカのフロリダ州などに生息域を広げているという。ツノガエルと同じミナミガエル科に属し、外見はアオガエル科のツリーフロッグに似ている。成長の仕方がおもしろいだけでなく、鳴き声が普通のカエルと違っていて、ケロケロ、ゲロゲロではなく、「コキー、コキー」と「キ」にアクセントのある鳴き方をするのでその名前がついた。お膝元のプエルトリコではマスコットにもなっている人気者なのだそうだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820152 |