色①
【いろ】
年をとると渋めの色を好むようになるのはなぜ?
パステルカラーや赤や黄色などの暖色系の色を好むのは若い人で、年配の人は茶系統や寒色系あるいは中間色を好む傾向にある。これには、ちゃんとした理由があるようだ。目の水晶体の変化が関係しているのだ。赤ちゃんの水晶体はとても澄んでいて、多少青みがかった色をしている。ところが、大人になるにつれて、目の分泌液が黄色や茶色がかってきて濁ってきてしまう。この原因は紫外線から人間の細胞を守っているメラニン色素にある。夏の強い紫外線を浴びると日焼けするのは、メラニン色素が働き、肌をガードするために黒くなるからだ。これと同じ現象が目のなかでも起きている。紫外線から目を守るためにメラニン色素が働き、だんだん目の色は茶色がかってくる。このことが端的にわかるのは、青い目の赤ちゃん。赤ちゃんのときはまっ青な瞳の色だったのに、成長するにつれて瞳の色が緑になり、やがては茶色になる人が多い。このように、水晶体の色が変化すると、青色の光線に対する吸収率も変わる。子どもの頃は青色光線の吸収率がわずか一〇パーセントだったのに対し、歳を重ねると吸収率が高くなり、高齢者では八五パーセントにまで達する。そのため、青色のようなクールな落ち着いた色への欲求が高まり、自然とそのような色を好むようになるというのだ。また、心理学的要因として、若い頃はエネルギーがあふれているので、その気持ちに見合った赤系統のホットな色を好むが、大人になるにつれて、そういったハイテンションな気分になることも少なくなるから、クールな色を好むようになるともいわれている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820061 |