色②
【いろ】
英語圏では「ピンク」ではなく、なんと「青」がイヤラしい!
色っぽいという言葉がある通り、「色」にセクシーなイメージを重ねることがある。なかでもエッチな色といえば、ピンクだろう。アダルト映画のことを俗に「ピンク映画」といったり、風俗の店を「ピンクサロン」といったりする。一説には、ピンク色は桃の花の色なので、そこからひな祭りの色となり、女性をあらわす色になったという。また、昔話の『桃太郎』が桃から生まれるのは、桃は女性の子宮を意味しているからだという人もいる。もっとも、いつの頃からピンクが女性のイメージになったかは定かではない。平安時代、男女の秘めごとを「色ごと」といい、ひっきりなしに美女を求めることを「色ごのみ」といったりはしたが、この頃はまだ漠然と「色」といっており、とくにピンクに限定していたわけではない。ところで、ピンク色を見てエッチな色と感じるのは日本人だけのようだ。英語圏では、アダルト映画のことをピンク映画とはいわず、「ブルー・フィルム」という。もともとハードなアダルト映画の画像は青みがかっていたので、そう呼ばれるようになったといわれているが、なぜブルーがエッチな色なのかは定かではない。日本人の感覚では、ブルーといえば気分を鎮める色であり、ブルーのイメージでは、ベッドで燃えるのはなかなか難しいかもしれないが……。おもしろいのは、アダルト映画がスペインにいくと、「シネ・ヴェルデ(緑映画)」となり、中国にいくと「黄色録音帯」となること。つまり、スペインならグリーン、中国ならイエローがエッチな色になるわけだ。ところ変われば、こんなにも色のイメージも変わるのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820062 |