インスタント
【いんすたんと】
商品化はラーメンが先、ネーミングはコーヒーが先
英語で「瞬間、即時」をあらわす言葉、「インスタント」。日本語では、手を加えずにすぐ食べられるものをさす言葉として定着している。そんなインスタント食品の代表格で双璧をなすのが、インスタントラーメンとインスタントコーヒーだろう。インスタントラーメンは、一九五八(昭和三三)年に誕生した。この年発売された日清食品の袋入り「チキンラーメン」がそのはじまりである。キャッチフレーズは「湯をかければ二分でOK」。その手軽さと一袋三五円という安価が受け、またたく間に人気商品となった。一方、インスタントコーヒーがこの世に誕生したのは一九〇一(明治三四)年のこと。アメリカで開催されたパンアメリカン博覧会で、日本人化学者、加藤博士が発表したのがはじまりとされる。ただし、当時の名前は「ソリュブルコーヒー」(soluble coffee=溶けるコーヒー)。インスタントコーヒーという言葉が使われるようになったのは、一九六〇(昭和三五)年に、森永製菓が「インスタントコーヒー」を発売したことに端を発する。このインスタントコーヒーという名前をきっかけに、ラーメンをはじめ、様々な食品で「インスタント」という言葉が使われるようになった。ちなみにインスタントラーメンの場合、当時は袋入りの中華麺だけだったが、いまではそばやうどん、やきそば、スパゲッティまで、あらゆる即席麺が存在する。それでも即席麺の約八五パーセントが中華麺で占めているため、現在もインスタント麺全体をインスタントラーメンと呼ぶことが多い。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820064 |