アルミホイル
【あるみほいる】
二枚重ねで製造することでできる「裏」と「表」
肉や魚をホイル焼きにしたり、ピクニックのサンドイッチの包装にしたりと、一家に一本は当たり前のアルミホイル。金属製品だからこそ可能な、加熱にも防水にも使える重宝品だ。これは原料であるアルミニウムを加熱しながら、何度もローラーにかけて薄く延ばすという製造方法が使われている。日本の伝統工芸品に使われている金箔・銀箔と同じように、金属を薄く延ばしたものであるところから、アルミ箔とも呼ばれる。金箔・銀箔には裏表がないが、アルミ箔にはピカピカ光った表面と、鈍く光る裏面とがある。食品を包むことが多いため、わざわざ裏表をわかりやすくしてあると誤解している人がいるかもしれないが、実は、製造方法によって生まれたものといえる。アルミホイルは、まずアルミニウムの塊を四〇〇度以上に熱してローラーで延ばす熱間圧延がおこなわれる。それを空気冷却で延ばす冷間圧延、さらに薄く延ばす荒箔圧延という工程を経て薄くしていく。それでも、家庭用アルミホイルの一般的な厚さ〇・〇一五?〇・〇二ミリにまでローラーだけで延ばすには技術的に限界がある。そこで荒箔圧延されたものを二枚重ねて、再びローラーをくぐらせるという仕上げ圧延という工程を加えているのが一般的。延ばすのはここまでで、薄くなった二枚重ねのアルミ箔を今度は一枚ずつにはがす分離の工程がおこなわれる。こうして完成したアルミ箔は、ローラーにかかって磨かれたツルツルの面と、くっついていたのがはがされたため鈍い光を放つ面とを持つことになったのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820025 |