秋葉原
【あきはばら】
昔は「あきばっぱら」と呼ばれていたという、オタクの聖地「秋葉原」
メイドカフェやコスプレなど、オタクが大好きなものがあふれ、オタクの聖地となっている秋葉原。今では、アニメやゲームのマニアのことを「アキバ系」と称したりもする。ひと昔前から、秋葉原といえば、家電が安く買える町として、国内だけではなく海外にもその名が知られており、パソコンマニアが多く集う場所である。この秋葉原、その名の由来は権現様にある。江戸時代、秋葉原は下級武士の居住地区だったが、火事が頻発していた。一八六九(明治二)年、明治政府は、火事の被害を最小限にとどめるために、九〇〇〇坪の火除地を、この地に設置した。さらに翌年、火除けの神として多くの人に信仰されていた、神仏混淆の秋葉大権現を静岡県(遠州)から勧請し、鎮火神社とした。当初は、広大な火除地と鎮火神社があることから「鎮火原」と呼ばれていたが、鎮火神社が秋葉神社に改められたため、いしつか「あきばっぱら」、または「あきばがはら」と呼ばれるようになった。一八九〇(明治二三)年、この地に駅が開設されたが、その駅名が「あきはばら」とされたため、だんだんと「あきはばら」という呼び名が一般化した。日常的には、省略して「あきば」と呼ばれることが多い。なお、秋葉原の語源となった秋葉神社は、その後、台東区松が谷に移転した。秋葉原が電気街となったのは、第二次世界大戦後のこと。空襲後も、神田駿河台下から須田町にかけて焼け残ったため、ヤミ市が多く立った。そのなかで、復員学生に対してラジオ部品を売る露店が並んだのが、現在の町並みのはじまりだったといわれている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820007 |