赤ちゃんの目
【あかちゃんのめ】
赤ちゃんの目は、どうして青っぽいのか?
赤ちゃんの肌は、とにかく柔らかくて触るとプヨプヨしている。これは皮膚に水分の含有量が多いからで、年をとることで皮膚の水分の含有量が減ってカサついてくる大人からすると、うらやましい限りだ。赤ちゃんが成長につれて失っていくのは、皮膚の水分のほかにもう一つある。それが目の青みだ。白目に透明感があって、青みがかっているのが赤ちゃんの特徴でもある。これは人間の目の構造による。人間の眼球の構造で、いちばん外側を覆っているのは強膜だが、これは厚く丈夫な膜で、外部の刺激から眼球を守るのに役立つ。その内側にあるのがブドウ膜で、血管が走っている。そして、いちばん下にあるのが網膜で、人間の目は単純にいえばこれらの三層構造である。生まれて間もない赤ちゃんは、いちばん外側の強膜はまだ薄い。そのため、ブドウ膜を走っている血管が透けて見えてしまう。強膜越しに透けて見える血管は青くなるため、白目の部分が特別に青白く感じられるのである。強膜は、成長につれて次第に厚くなるので、ブドウ膜と血管は透けて見えなくなってくる。さらに、外気にさらされ続けた強膜は、紫外線や大気中の汚れのために本来の白さが濁って黄色っぽく変わることもある。薄い強膜で血管を透かして見せている赤ちゃんの青っぽい白目は、本当に世俗に穢がれていない純な時代の、ほんの数カ月の間だけである。青く見えるのは、まさに赤ちゃんが無垢であることの証明ともいえる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820005 |