【イタリアン手帳】魚介料理 >
ズッパ・ディ・ペッシェ

さまざまな出汁で複雑な旨み、具だくさんの魚介スープ

zuppa=スープ、pesce=魚、すなわち魚介のスープ。だが、具材の多さからして、魚料理の一皿というにふさわしい。イタリア版ブイヤベースの呼び名もあるが、南仏料理であるブイヤベースBouillabaisseにはフェンネルとサフランが欠かせないのに対し、こちらにはそんなルールはない。
ソテーした魚介類と、ニンニク、香味野菜を合わせ、トマトを加えてざっと煮込んだら出来上がり。魚介類はなんでもよく、魚や甲殻類、貝類などいろいろな種類を合わせるのが一般的。それぞれの旨みが渾然一体となり見事なハーモニーが生まれる。写真はアマダイ、エビ、イカ、イイダコ、アサリ、ホタテ、ムール貝と盛りだくさんに。元々が南イタリアの漁師料理で、同様のものにトスカーナ州リヴォルノ地方の郷土料理として有名なカチュッコCaciuccoがある。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子) 「イタリアン手帳」 JLogosID : 8541078 |