【イタリアン手帳】パスタ料理 >
プッタネスカ

黒オリーブとケイパーとアンチョビ入りで、娼婦風と呼ばれるトマトソース

「娼婦風」。風変わりな名前の多いイタリアのパスタソースの中でも、ダントツはこれだろう。黒オリーブ、ケイパー、アンチョビが入ったトマトソースで、ニンニクの香りもきいている。そのどこが娼婦風かといえば、諸説ある。最も信頼できそうなのは、1950年代にイスキアの芸術家エドゥアルド・コルッチが遊び心で命名したという説。だが、それがもっと色っぽい話に広がっていく。
トマトの赤とオリーブの黒が娼婦を思わせるとか、ケイパーの香味が軽い刺激を感じさせるからとか、あるいは客をもてなすのに忙しいナポリの娼婦が、手もとにある保存食だけで手軽に作れたからという説もある。南イタリアでは昔からポピュラーなソースだったというが、名前のおかげで一躍人気となった。パスタはスパゲッティを使うのが一般的。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子) 「イタリアン手帳」 JLogosID : 8541045 |