【すし手帳】貝 >
ほたて


流通している大部分が養殖ものだから、なかには「握り甲斐がない」と敬遠するすし店もある。だが、どうしてどうして。ぽってりと厚く、たっぷり汁気を含んだ身(貝柱)は甘くやわらかく、しかも貝類に多い潮臭さもない。そんな味と食感が、子どもからお年寄り、生ものが苦手の人にも好まれている。貝柱の重量やグリコーゲンの量は春から夏に向かって増え、ピークの6月?8月ごろが一番の食べどきだ。
写真は、数少ない北海道産の天然もの。さくっと歯切れよく、上品な甘さがゆったりふんわり広がって、まるで高級なスイーツを思わせて楽しい。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003075 |