【すし手帳】えび・かに >
しゃこ


英名にもmantis=カマキリとあるように、丸のままの姿は形も色もかなりグロテスクだから、食わず嫌いの人は多いだろう。しかしそんな見た目と味とに、これほど大きな落差があるすしダネも珍しい。
殻ごと塩茹でした薄紫の身(写真は瀬戸内海産)は、ふくよかな甘さのなかにくっきりと野性味を秘め、えび類とはまた違ったみっしりした肉質と、口に膨らむ食べごたえがすばらしい。カツブシと呼ばれる卵をいっぱい抱えたシャコや、獲物を捕まえる一対の捕脚の身を取り出した「しゃこづめ」も、通好みの味として知られる。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003062 |