【すし手帳】光りものなど >
こはだ


数ある江戸前のすしダネの総代表。天平時代の733年に編まれた『出雲国風土記』に「近志呂」の字で顔を出すほど、日本人との縁は長く深い。
身がやわらかく足が速いため、小鰭も新子(写真はともに熊本県天草産)も新鮮なうちに酢と塩で締める。その締め加減が職人の技。小鰭なら凛とした若々しさを。1貫に3匹づけの新子は、ごく一時期しか賞味できない、夏を飾る清新な初々しさを楽しみたい。
産卵期が3月?8月と長いため、産地をずらせば小鰭は一年中いつでも食べられる。新子がすしダネとして登場するのは7月中旬?8月と短い。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003000 |