【すし手帳】えび・かに >
しろえび


深い藍色の海に育ち、地元では「藍甕に棲む深海の宝石」と称される。透きとおった淡いピンクの肢体は、英名にあるg l a s sどおり、脆く繊細なガラス細工そのままだ。市場に流通するほどの漁獲があるのは、世界でも富山湾だけという。
殻をむけば小指半分ほどの小さなえびだから、身を何匹分も一緒に軍艦にのせて、上にちょんと下ろし生姜をあしらう。白い透明な身はほのかな甘さを閉じ込めてすがすがしく、まるで季節そのものを味わうかのよう。初夏のシラエビ漁は、ホタルイカ漁とともに富山湾の風物詩として知られる。
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003058 |