【すし手帳】お魚雑学 >
コラム2


坂本先生の「お魚雑学」
江戸前とは
だんだん広くなった「江戸前」の海
江戸前ずしは、もともと江戸前すなわち江戸の前の海で獲れた魚介類を使ったすしのことですが、この江戸前とは当初、どのあたりを指していたのでしょうか。
文政2年(1819)の魚河岸の肴問屋から肴役所への答書に、「江戸前」とは「品川洲崎一番杭と深川洲崎松棒杭とを見通した陸側の海」という文言があります(「中央区史」中央区役所、1958)。この深川?品川が最も狭いものです。また、明治生まれのある漁業者は、「東は中川の延長線の澪と、西は品川宿からお台場をつらねた北側の海」(中川?品川)を、先祖代々江戸前と呼んできたといいます(「東京湾の歴史」高橋在久編、1993)。
最近では、東京湾内湾(富津岬から観音崎)で獲れた魚介類をすべて「江戸前」と、多くの人は考えているようです
![]() | 東京書籍 (著:坂本一男) 「すし手帳」 JLogosID : 8003044 |