【日本史の雑学事典】第10章 文化の巻 > 明治時代
タイムカプセル
【たいむかぷせる】
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■15 世界史上初? のタイムカプセルが日本に!…学校の礎石に当時の貴重な資料を封印
世界で最初のタイムカプセルは、1939年のニューヨーク万博のときだといわれている。ところが、それを遡ること半世紀以上前に、実は日本にタイムカプセルが存在したことが判明した。
1999年7月、東京都豊島区西池袋にある立教中学校で、改築のため旧校舎の解体がおこなわれた。このさい、校舎入口の階段を上がった部分にはめ込まれていた礎石部分を取り外したところ、セメントが割れ、なかから縦30センチ・横18センチ・深さ25センチの鉛製のような四角い箱が出てきたのである。
箱を開けた瞬間、空気が流れ込む音がしたことから、完全に密封されていたらしい。箱には1894年11月22日付の読売新聞が入れてあり、これによって100年以上前に埋められたものと判明した。この箱からは、その当時在学していたとみられる「立教学校」の学生名簿や成績表、論文、校舎の写真、聖書、キリスト教関係の資料など、40点以上がぞろぞろ出てきた。
立教学校は、もともと東京の築地に建てられたが、1894年の地震で校舎が倒壊している。この礎石は、同年の新校舎落成記念に埋め込んだらしい。
この築地校舎は、1923年の関東大震災で焼失、1925年に池袋へ移転するとき、礎石も一緒に移されたようだ。たぶんこのときには、学校関係者もタイムカプセルの存在を完全に忘れてしまっていたらしい。
それにしても、当時の日本の学生たちにタイムカプセルという概念があったとは驚きである。
![]() | 日本実業出版 (著:河合敦) 「日本史の雑学事典」 JLogosID : 14625131 |