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日本史の雑学事典第3章 合戦・戦争の巻 > 原始時代

縄文人
【じょうもんじん】

■1 縄文人にも戦争はあった?…常識を覆す歴史的新発見となるか
 縄文時代には、リーダー的な人々こそ少数いたが、基本的に集団のなかでは身分や貧富の差がなく、豊かで安定的な社会だったというのが、これまでの常識である。また、人々が集団で殺し合う戦争も存在しなかったとされてきた。
 ところが、この常識を覆す考古学的成果が出てきた。奈良文化財研究所が2002年3月、「国内としては最古の戦争の痕跡が見つかった」と発表したのである。痕跡は、居徳遺跡(高知県土佐市)で出土した縄文晩期(2800~2500年前)の人骨9人分(15点)に刻まれていた。
 同研究所によれば「大腿骨2点と上腕骨1点に刺し傷が十数か所にわたって執拗につけられており、その他の骨にも刺痕が見つかった」と言い、「こうした異常なまでの憎しみ的な損傷行為や、骨が発見された場所が当時のゴミ捨て場だったことから、この時代の戦争犠牲者である」と判断したのだ。しかも、傷をつけたのは、金属器であるとも断定された。この見解もこれまでの常識を覆してしまうものだ。なぜなら、縄文時代には石器しかなく、青銅や鉄などの金属器の使用は、次の弥生時代に始まったとされているからである
 もちろん、こうした戦争存在説に、以下のように疑問を投げかける学者は少なくない。
「人骨に傷があるからといって、そこから戦争の存在を類推するのは不可能だ」「石器でも十分鋭い傷はつき、金属器による傷と断定するのは安易だ」「人骨は戦争ではなく、解体されて儀式に使用されたか、食べられたのではないか」
 いずれにせよ、今後の展開が楽しみである




日本実業出版 (著:河合敦)
「日本史の雑学事典」
JLogosID : 14625029


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:河合敦
価格:1,404
収録数:136語
サイズ:18.6x13x2.2cm(四六判)
発売日:2002年6月
ISBN:978-4534034137

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