【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 神無月
初雁
【はつかり】

雁(がん・かり)とは、夏季にシベリア方面で繁殖し、秋に日本列島沿いに渡ってくるマガン・ヒシクイ・カリガネなどの総称。「グワン、グワン」あるいは「カリ、カリ」と聞こえる鳴き声が名の由来という。
初雁とはその年で初めて渡ってきた雁のことで、東北地方では九~一〇月、九州では一一月頃。その鳴き声を初雁が音(初雁金)という。群をなして渡るときは、一直線になったり、鍵形になったりする。これを「雁の棹」「雁の列」という。夜間に渡ることが多く、昔から「月と雁」は書画の題材にされる。和菓子の名にもなっている落雁は、雁が降りるさまをいう。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040173 |